○猪苗代町債権管理条例
令和六年三月二十八日
条例第八号
(目的)
第一条 この条例は、町の債権の管理に関し必要な事項を定めることにより、町の債権の管理の一層の適正化を図り、もって公平な町民負担の確保及び公正な行財政運営に資することを目的とする。
一 町の債権 金銭の給付を目的とする町の権利をいう。
二 法令等 法律及び法律に基づく命令並びに条例をいう。
三 強制徴収債権 町の債権のうち、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定に基づく徴収金に係る債権及び法令の規定に基づき国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができる債権をいう。
四 非強制徴収債権 町の債権のうち、前号の債権を除いた債権をいう。
(他の法令等との関係)
第三条 町の債権の管理については、他の法令等に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(債権管理に係る責務)
第四条 町長は、法令等の定めるところにより、町の債権の適正な管理を行わなければならない。
(台帳の整備)
第五条 町長は、町の債権の適正な管理を行うため、町の債権に係る台帳を整備しなければならない。
(督促)
第六条 町長は、町の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。この場合における督促は、督促状を発して行わなければならない。
(滞納処分等)
第七条 町長は、強制徴収債権について、前条の規定による督促を受けた者が指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、法令の定めるところにより滞納処分をしなければならない。
2 町長は、強制徴収債権について、法令の定めるところによりその保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならない。
3 町長は、強制徴収債権について、法令の定めるところにより徴収猶予、換価の猶予又は滞納処分の停止を行うものとする。
一 担保の付されている債権(保証人の保証がある債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
二 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第九条 町長は、非強制徴収債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第十二条第一項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第十条 町長は、非強制徴収債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により町が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、町長は、非強制徴収債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第十一条 町長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
一 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みがなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。
二 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
(履行延期の特約等)
第十二条 町長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
一 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
二 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
三 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
四 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
2 町長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。
(免除)
第十三条 町長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から十年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
3 前二項の規定による債権の免除は、債務者からの書面による申請に基づいて行うものとする。
(債権の放棄)
第十四条 町長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等の債権を放棄することができる。
三 破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百五十三条第一項、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百四条第一項その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。
四 債務者が生活困窮状態(生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、相当の期間を経ても当該債権について履行の見込みがないと認められるとき。
五 債務者である法人が、法人を解散し、清算を終了した場合で、配当が債権の額に満たず、かつ、残余財産がないとき。
六 債務者が死亡し、相続人がその債務について限定承認をした場合、相続人全員が相続放棄をした場合又は相続人が存在しない場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける町の債権及び本町以外の者の権利の金額の合計額を超えないと認められるとき。
七 当該債権について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき。
2 町長は、前項の規定により債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。
(委任)
第十五条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、令和六年四月一日から施行する。