浄化槽には、大きく分けて2つの種類があります。
昔の水洗便所にするためだけの浄化槽です。便所の排水は単独処理浄化槽で処理して放流されますが、古い構造のため適正に維持管理しても処理能力が低いうえ、台所、風呂、洗面台、洗濯機等の生活雑排水は未処理で放流されます。
このため単独処理浄化槽は平成13年からは法律で新規の設置ができなくなりました。
台所、風呂、洗面台、洗濯機等の「雑排水」と、水洗便所の「汚水」をあわせて処理するのが「合併処理浄化槽」です。
現在の合併処理浄化槽は、下水道処理施設等と同等の「高い処理能力を持つもの」(BODのほかに窒素やリン等を除去)となっています。
浄化槽は、何もしなければ最終的には汚物があふれ、河川や水路等にそのまま流れ出してしまう構造となっています。浄化槽を使用している方は、浄化槽法で義務付けられている次のことを確実に行ってください。
浄化槽は24時間365日動き続ける機械であり、定期的に点検や調整、修繕などが必要です。
どのような点検等をするかは浄化槽法により技術上の基準が定められており、保守点検の記録を3年間保存することが義務付けられています。
・スカムの返送又は移送や逆洗洗浄及び清掃時期の判断などの汚泥の管理
・送風機の点検や空気量の調整
・装置や機器類の調整・修理
・消毒剤の補給
・シーディングなどの微生物の管理
・放流水質のチェック など
これらは、専門的な内容であるため、「福島県知事が登録した浄化槽保守点検業者」に保守点検を委託するのが一般的です。
浄化槽は、微生物の働きによって汚れを沈めて(汚泥と言います)、きれいになった上澄みを放流する構造となっています。
使い続けるとだんだんと汚泥がたまり、沈みきれなくなると汚泥が浄化槽の外に流れ出してしまいます。
保守点検の結果、清掃が必要となった場合は、「猪苗代町長が許可した浄化槽清掃業者」に清掃を委託してください。
どのような清掃をするかは浄化槽法により技術上の基準が定められており、清掃の記録を3年間保存することが義務付けられています。
・スカムや汚泥などの引き抜き
・槽内部の装置や機器類の洗浄
・槽内に異常がないか目視による点検
・土圧などによる槽本体の破損を防ぐことや浄化槽の機能が速やかに回復できるよう槽内に水を張る作業
◆よくある質問
Q 7人槽で2人暮らしだから、3年に1回でも十分でしょ?
A 汚泥の引き抜き(くみ取り)だけが清掃ではありません。法律で清掃は最低でも「年1回」と定められていますので、実際の使用人員が少なくても年1回の清掃が必要です。毎年清掃で汚泥等の引き抜きをしていれば、かかる費用も分散されます(数年に一度の清掃だと、槽内全量引き抜きが必要となってしまいます)。
全ての浄化槽は、保守点検や清掃が法律の規定通りに実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているかどうかについて検査を受けなければなりません。
この検査は、知事が指定した「検査機関」が行うこととなっており、県内では、「公益社団法人福島県浄化槽協会」が指定検査機関となっています。
・7条検査…新たに浄化槽を使い始めた場合は、使用開始後3ヶ月を経過した月から5ヶ月以内に指定検査機関による検査を受けることが必要です。
・11条検査…7条検査後、毎年1回浄化槽が所期の機能を十分発揮しているかどうかを判断するため、指定検査機関による検査を受けることが必要です。
検査の結果、「不適正」と判定された場合は、「汚水がそのまま垂れ流しとなってしまう(可能性がある)」等の生活環境に重大な支障を生じるおそれがありますので、直ちに原因を究明のうえ改善するよう努めてください。
◆よくある質問
Q 点検を業者さんに頼んでちゃんとやっているのに、検査を受けないといけないの?
A 保守点検や清掃がきちんと行われているか等を判断するための検査ですので、受検が必要です。
保守点検・清掃・法定検査の連絡先等については、添付ファイル(PDF)をご覧ください。